東福寺の歴史
東福寺(とうふくじ)は摂政、九条道家が奈良の最大の寺院である東大寺と最も隆盛を極めた興福寺になぞらえようと『東』と 『福』の文字をとって東福寺となずけたそうです。19年かけて伽藍を作りましたが、火災のため大部分を焼失してしまいました。しかしその4ヶ月後には再興のため着工し再び20年かかって完成します。そのころにはすでに京都五山に数えられるほどの寺観を整えていたそうです。明治期にも火災にあいましたが、昭和初期に落成し現在に至ります。東福寺は昭和の作庭家、重森三玲(しげもりみれい)をいたるところに起用し、方丈や他塔頭寺院などで斬新なその庭園を見ることができます。また、京都では一二を争う紅葉の名所として知られています。
宗派・本尊など
別名: 東福禅寺
宗派: 臨済宗 東福寺派 大本山
本尊: 釈迦如来
東福寺の見所
東福寺三門(国宝)
1425年の再建で禅宗の三門としては最古のもので二階建ての立派な門です。
通天橋(つうてんきょう)
仏殿から常楽庵に至る渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)に架けられた橋で、1380年に春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が谷を渡る苦労から僧を助ける為に、橋を架けたと伝えられています。
臥雲橋(がうんきょう)からみる東福寺、通天橋
東福寺は紅葉の名所で知られています
方丈庭園(八相庭)
重森三玲(しげもりみれい)により方丈の東西南北の庭は作庭されました。斬新でモダンな庭で新しい歴史を築いた庭園といえます。
開山堂(伝衣閣・でんねかく)<重文>
別名『常楽庵』といい2階建ての楼閣となっています。金閣・銀閣・西本願寺の飛雲閣・大徳寺、芳春院の呑湖閣、とならび京の五閣といいます。
塔頭寺院
光明院
1391年に創建された塔頭で、重森三玲作庭『波心の庭』が有名です。(通常公開)
龍吟庵「りょうぎんあん」(方丈は国宝)
偃月橋(えんげつきょう)を渡ったところにある塔頭です。国宝の方丈から重森三玲の庭園を見ることができます。(通常非公開)11月に一般公開。
芬陀院(ふんだいん)
雪舟作の庭園があることから雪舟寺といわれています。(通常公開)
天得院(てんとくいん)
桔梗で有名な枯山水の庭園があります。6月と11月に一般公開されます。
霊雲院(れいうんいん)
重森三玲の名勝庭園が有名です。
その他
東福寺の伽藍面(とうふくじのがらんづら)
東福寺は五山の四位で、昔より大伽藍の寺院であることから俗に『東福寺の伽藍面』などと呼ばれたのです。
三つの橋
主要伽藍の北には洗玉澗(せんぎょくかん)という渓谷があり、西から東へ臥雲橋、通天橋と龍吟庵へとつながる偃月橋(えんげつきょう)<重文>という3本の橋(東福寺三名橋)が架かります。
重森三玲(しげもりみれい)
昭和を代表する作庭家で、東福寺では彼の作品を五か所で堪能することができます。方丈の八相の庭、光明院の波心庭、龍吟庵、霊雲院、芬陀院などで庭園を見ることができます。
案内
〒:605-0981
所在地:京都市東山区本町15丁目778番地
℡:075-561-0087