桂離宮

桂離宮の歴史

桂離宮(かつらりきゅう)は、修学院離宮とならんで、江戸時代初期の代表的な山荘で、八条宮家初代の智仁(としひと)親王(1579年 - 1629年)によって基礎が築かれました。智仁親王は正親町天皇(おおぎまちてんのう)の孫であり、後陽成天皇(ごようぜいてんのう)の弟に当たります。智仁親王は初め豊臣秀吉の猶子(ゆうし)となりましたが、秀吉に実子が生まれた為、八条宮家(桂宮家)を創設することになるのです。

書院、茶屋、庭園などの造営は、八条宮家2代目(智仁の息子)の智忠(としただ)親王(1619年 - 1662年)に引き継がれ、親子で50年かけて整備されました。八条宮家は常磐井宮、京極宮、桂宮と名前を変えた後、1881年に断絶し、桂離宮は1883年から宮内省の管轄になります。第二次世界大戦後は、宮内庁が管理しています。

また、桂離宮は、江戸時代初期の造営当初の庭園と建築物を遺しており、当時の王朝文化を今に伝えています。回遊式の庭園は日本庭園の傑作といわれ、1933年にドイツから亡命した建築家ブルーノ・タウト<桂離宮をはじめ、伊勢神宮飛騨白川の農家及び秋田の民家などの美は、タウトにより「再発見」され-海外に知られることになります。>が「泣きたくなるほど美しい」と絶賛し回遊式庭園には、桂川の水を引いた池を中心に、茶屋、築山、州浜、橋、石灯篭などを配しています。茶屋は松琴亭(しょうきんてい)、賞花亭(しょうかてい)、笑意軒(しょういけん)、月波楼(げっぱろう)の4棟があり、他に持仏堂の園林堂(おんりんどう)があります。

また、フランスのタイヤメーカのミシュラン社が発行する観光ガイドブックにおいて、三つ星の評価がされています。



桂離宮の見所

御幸門(みゆきもん)

棟角形式、コルク層が厚い棈(あべまき)の皮つき丸太の門柱、茅葺屋根、割り竹をスノコに張った門扉を持ちます。

桂離宮・御幸門
                                    御幸門






桂離宮・御幸道
                                    御幸道






御腰掛(おこしかけ)

桂離宮・御腰掛
                                    御腰掛






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桂棚(かつらだな)

桂離宮、新御殿一の間の上段にある違い棚です。「 天下三大名棚」と呼ばれ、それぞれ、桂離宮の『桂棚』、修学院離宮の『霞棚』、醍醐寺三宝院の『醍醐棚』がそれにあたります。

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松琴亭(しょうきんてい)

桂離宮で最も格式の高い茶室です。

桂離宮・松琴亭
                                桂離宮・松琴亭






松琴亭からの景色
                                 松琴亭からの景色






松琴亭前庭の洲浜
          松琴亭前庭の天橋立にみたてている洲浜(すはま)






松琴亭内部
                                   松琴亭内部・一の間






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賞花亭(しょうかてい)

賞花亭は峠の茶屋風で、春は吉野家、秋は龍田屋と染めた暖簾(のれん)を懸けますが、今は龍田屋の暖簾のみが伝わるそうです。

賞花亭
                               賞花亭






園林堂(おんりんどう)

園林堂は本瓦葺き宝形(ほうぎょう)造りの屋根、唐破風(からはふう)の向拝(ごはい)を持つ持仏堂で、桂宮家代々の御位牌や初代智仁親王に古今伝授をした細川幽斎の画像が祀っていました。

園林堂
                               園林堂






笑意軒(しょういけん)

笑意軒は、茅葺き寄棟にこけら葺きのひさしを付けた屋根で、深い土庇(つちびさし)をつけた田舎家風の茶室です。前に敷かれた延段は「草の飛び石」といわれています。

笑意軒
                               笑意軒






笑意軒
                               笑意軒






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月波楼(げっぱろう)

柿葺(こけらぶき)の寄棟屋根に切妻(きりつま)。古書院に近い池の高みに立つ観月の為の茶亭で、池に映る月を観るためのものだそうです。

月波楼
                               月波楼






月波楼
                               月波楼






案内

〒:606-8052
所在地:京都市西京区桂清水町
℡:075-211-1215 宮内庁京都事務所
インターネット又は、往復はがきでの申し込み制です。
参観希望日の3カ月前の月の1日午前5時からインターネットでの申し込み可
18才以上からの参観となります。

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まめ情報

近くのお店・・・・
中村軒(なかむらけん)
京都市西京区桂浅原町61(お店の裏手に駐車場があります)
℡:075-381-2650
営業時間:7:30~18:00 /茶店 9:30~18:00(ラストオーダー17:45)
定休日:毎週水曜日

創業明治16年で、初代中村由松が饅頭屋(まんじゅうや)を始めたことに始まり丹波、丹後方面への山陰街道往来客たちの間で「かつら饅頭」として評判になり、土産品としても人気が出たそうです。 当時、田畑ばかりの桂で「麦代餅(むぎてもち)」を農作業現場まで届けていたそう。
現在地に於いて明治末期より西京極長福寺(久邇宮=くにのみや 菩提寺)を通じ久邇宮家御用を拝命。久邇宮家、賀陽宮家(かやのみやけ)、東伏見宮家などの年忌には必ずかつら饅頭をご利用戴いていたそうです。

中村軒

麦代餅(むぎてもち)

写真は中村軒一押しの麦代餅(むぎてもち・280円・12/3月)です。つきたてのお餅に粒あんを入れきなこをふってあります。 普通の麦代餅より少し小さめの「麦代餅ミニ(180円・12/3月)もあります。また、店内の茶店では、にゅうめんやうなぎ茶漬けなどを食す事も出来ます。




隆兵そば(りゅうへいそば)
京都府京都市西京区桂浅原町157(お店の横の駐車場をご利用ください・中村軒と共用)
℡:075-393-7130
営業時間:11:30~14:00(LO)単品のみの時間帯
       11:30~13:30 昼のコース
       18:00~19:30(入店) 夜のコース(夜は2組限定で前日までに要予約)
定休日:毎週水曜日(祝日の場合営業)・毎月18日・第3火曜日
注意:乳幼児の来店はお断りしています。
    コース料理予約の方、優先になっています。

隆兵そば

お昼のミニセット お昼のミニセット お昼のミニセット お昼のミニセット お昼のミニセット

桂離宮の南すぐ、中村軒の裏にある蕎麦屋ですが、格式の高い蕎麦屋さんです。写真料理はお昼のミニセットです。(2300円・12/3月現在)



地域別日本遺産









桂離宮・景色
                                   桂離宮の景色




桂離宮・景色
                               




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