伊勢神宮

伊勢神宮の歴史

伊勢神宮(いせじんぐう)は正式名、『神宮』と言い他と区別するために伊勢神宮と言っています。『日本書紀』の垂仁天皇25年(紀元前4年)3月、「倭姫命=天照大神、東の美濃を廻りて、伊勢国に至る。」と記述されており、天照大神は、およそ2000年前に伊勢に居場所が落ち着いたということになっています。元来、伊勢神宮は皇室の氏神として、天皇以外では、皇后、皇太子以外の奉幣(ほうべい・ほうへい)は禁止されていました。天武天皇の時代(飛鳥時代)に斎宮(さいぐう)=(神様に使える選ばれた処女の女性)が制度化され権威の象徴となっていました。しかし、鎌倉時代ごろから皇室にとってのみの氏神から、日本全体の鎮守として全国の武士から崇敬された神宮となっていきます。さらに、内戦などで皇室が資金的余裕が無くなり、式年遷宮(しきねんせんぐう)=(後述)が行えない時代もあり、資金獲得のため、神宮の信者を増やす方向に移行していきました。江戸期頃からは、お蔭参り(お伊勢参り)が流行し、庶民の親しみを込めた「お伊勢さん」という俗名も定着し現在に至っています。

正式名・主祭神など

正式名:  神宮、お伊勢さん(愛称)
宗派:    日本神道
主祭神:  天照大神(あまてらすおおみかみ)=内宮
        豊受大神(とようけおおみかみ)=下宮


伊勢神宮の見所

伊勢神宮・豊受大神宮=外宮(げくう)

外宮=豊受大神宮は、天照大神の御食事を司る神で、衣食住などのあらゆる産業の守り神です。外宮は、内宮創建から500年後に山田原(やまだのはら)に鎮座されました。外宮に一歩入ってみますと外の雰囲気とは違った荘厳さが感じ取れます。あちこちにある杉の巨木がこの地が聖域であるという事を証明しています。
そして、伊勢神宮の正式なお参りの仕方は、外宮からというのが一般的です。

外宮境内

外宮に一歩入ってみますと外の雰囲気とは違った荘厳さが感じ取れます。あちこちにある杉の巨木がこの地が聖域であるという事を証明しています。そして、伊勢神宮の正式なお参りの仕方は、外宮からというのが一般的です。神宮は、早朝4時から参拝することができます。

伊勢神宮・外宮
                                  






伊勢神宮・外宮
                                  






風宮(かぜのみや)

風の神を祀り、鎌倉時代の二度の元寇(げんこう)の時、神風(かみかぜ)を吹かせて日本をお守りになった神様です。

伊勢神宮・外宮・風宮
                                  






御正殿(ごしょうでん)

内宮と同じ唯一神明造の様式をとっています。

伊勢神宮・外宮・御正殿
                                  






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伊勢神宮・皇大神宮=内宮(ないくう)

内宮=皇大神宮は、皇室の御祖神の天照大神を祀り、日本国で最も尊い御宮です。五十鈴川の川上に2000年の歴史が静かに佇んでいます。

木除杭(きよけぐい)

流木が橋脚に直接衝突するのを防ぎます。

伊勢神宮・内宮
                                                         






宇治橋と宇治橋鳥居

五十鈴川に架けられた木造の橋です。創建当初(2000年前)は、橋はなかったそうで橋の記述があるのが平安時代末期(800数年前)からです。川の増水により何度も橋が流されたので、上の写真のように橋の上流に木除け杭を立てています。鳥居は、旧御正殿の胸持柱(むねもちばしら)をリサイクルしています。

伊勢神宮・内宮
                                  






五十鈴川御手洗場(いすずがわみたらしば)

現在の神社でいう手水舎(ちょうずや・てみずや)です。もともと聖域を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていたことにはじまります。ここで心身の汚れを清めてから正殿に向かいます。

伊勢神宮・内宮
                                  






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伊勢神宮・内宮境内

内宮の境内もまた、外宮と同じく杉の巨木が非常に多くここが聖域であると認識させてくれます。

伊勢神宮・内宮
                                  






伊勢神宮・内宮・御正宮(ごしょうぐう)

天照大神を祀る御正宮は、四重の垣根に囲まれており、唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)の古代様式の社殿です。また伊勢神宮に代表される神明造は、出雲大社に代表される大社造や住吉大社に代表される住吉造と共に、もっとも古い神社建築様式とされます。また、通常二拝二柏手一拝が一般的ですが、伊勢神宮の神職は、二拝八柏手一拝で拝礼を行います。一般参拝の人はそこまでする必要はないでしょう。

伊勢神宮・内宮・御正宮
                                  






伊勢神宮・内宮境内

内宮の境内もまた、外宮と同じく杉の巨木が非常に多くここが聖域であると認識させてくれます。

伊勢神宮・内宮
                                  






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その他

式年遷宮(しきねんせんぐう)

式年遷宮とは、定期的に行われる遷宮=(本殿の建て替えなどで場所を移動したりすること)で、伊勢神宮では原則として20年ごとに、内・外宮の正宮の正殿を始め、別宮や諸神社の正殿を造替(ぞうたい)して神座(しんざ)を遷し、宝殿、外幣殿(げへいでん)、鳥居、御垣(みかき)、御饌殿(みけでん)など計65棟の殿舎といった全社殿を造替する他、装束・神宝、宇治橋等も造り替えます。その為、内宮・外宮などの御正殿の横には遷宮用の土地が開けてあります。これに20年ごとに交互に移動するのです。飛鳥時代の天武天皇が定め、その妻の皇位期間・持統天皇4年(690年)に第1回が行われました。その後、戦国時代の120年以上にわたる中断や幾度かの延期などはあったものの、現在まで、およそ1300年にわたって行われています。平成25年(2013年)には正遷宮(神体の渡御=とぎょ)が予定され、その後は、2033年、2053年と続きます。



案内

(内宮)
〒:    516-0023
住所:   三重県伊勢市宇治館町1 内宮宮域内
℡:     0596-24-1111(神宮司庁代表)

(外宮)
〒:    516-0042
住所:   三重県伊勢市豊川町279 外宮宮域内
℡:     0596-24-1111(神宮司庁代表)



地域別日本遺産









伊勢神宮・内宮・神鶏
                                  






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