伊勢路の歴史
伊勢路(いせじ)とは、伊勢神宮から熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への熊野参詣道のひとつです。美しい石畳が残る熊野古道・伊勢路は再生の地と信仰されていた熊野へいたる祈りの道とされ、多くの庶民が参拝した道です。伊勢路には10以上の峠があり、それらの多くは江戸時代から続く林業によって形成された檜と杉の人工林です。
伊勢路の見所
馬越峠(まごせとうげ)
三重県紀北町と尾鷲市の境界にあります。伊勢路の中でも最も美しいとされている石畳が続きます。この辺りは日本でもトップクラスの雨量といわれていますがそのせいでしょうか、尾鷲檜とシダと苔が青々としています。
二木島峠(にぎしまとうげ)
二木島は神武天皇が上陸したところとも伝えられています。ここから大和に入り朝廷を開いたそうです。海のそばのJR二木島駅から山に向い国道を渡ったところに二木島峠への入口があります。
花の窟神社(はなのいわやじんじゃ)
高さ45mの巨岩を御神体とし、拝殿がありません。ここは自然崇拝を伝える日本最古の神社でもあります。神々の母である伊弉冊尊(いざなみのみこと)か火神、軻遇突智尊(かぐつちのみこと)を産み、焼かれて亡くなった後、ここに葬られました。妻を失った伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が逆上して斬り殺したという軻遇突智尊(かぐつちのみこと)のお墓もここにあります。
七里御浜(しちりみはま)
熊野市から南へ、紀宝町(三重県南牟婁郡)に至り約22km続きます。日本で一番長い砂礫海岸(されきかいがん・砂と小石が敷き詰められた海岸)で、『日本の渚百選』にも選ばれています。ウミガメの上陸地としても有名です。
獅子岩
国の名勝天然記念物、世界遺産にも指定されています。高さ約25m、周囲が約210mの岩。海からやってくる悪霊を追い払うかのように、にらみを利かせているようにも見えます。
案内
場所: 三重県度会郡大紀町・北牟婁郡紀北町・尾鷲市・熊野市・南北牟婁郡御浜町、紀宝町