高山寺の歴史
栂尾山・高山寺(とがのおさん・こうざんじ)は高雄山・神護寺(たかおさん・じんごじ)、槇尾山・西明寺(まきのおさん・さいみょうじ)とともに「三尾」(さんび)とされる名刹のひとつです。774年、光仁天皇の勅願で天台宗の寺として創建されたのが始まりとされています。平安時代には神護寺の別院とされてましたが、1206年華厳宗の僧、明恵上人(みょうえしょうにん)によって実質的に開基されます。1547年兵火で石水院(国宝)以外が全焼され、その後1634年仁和寺(にんなじ)の御堂を移築して金堂が再建されました。「鳥獣人物戯画」をはじめとする多くの文化財を所蔵するほか、明恵上人が栄西(えいさい・ようさい)禅師により送られた茶の種子を境内にまいたことで日本で初めての茶園ができ栂尾茶の誕生となります。
宗派・本尊など
宗派: 真言宗系単立寺院
本尊: 釈迦如来
ユネスコ世界遺産登録(1994) 京都17寺社
高山寺の見所
石水院(国宝)
鎌倉時代の建築で、明恵上人の住坊跡だったといわれています。本来「経蔵」として造られた建物が改築されたものです。
境内(史跡)
金堂
本尊の釈迦如来坐像が安置されています。1634年に仁和寺から移築されました。
開山堂(重文)
江戸時代の建築とされていて、中には明恵上人の肖像彫刻が安置されてます。
仏足石
明恵上人が釈迦を慕って足形を刻んだとされています。
日本最古の茶園
鎌倉時代初期に臨済宗の開祖栄西(ようさい・えいさい)が、当時の中国の南宋において種を得て、帰国後に明恵上人に贈ったものと伝えられています。
明恵上人はこれを栂尾山に植え、その後、宇治や静岡など他の土地に広まったそうです。
その他
遺香庵(いこうあん)
高山寺の実質的開山、明恵上人の遠忌700年を記念して昭和6年、小川治兵衛によって作庭されました露地庭園です。(不定期拝観)
茶室より高い所に腰掛(待合)があり、焼けて無くなった鐘を遺香庵援助者が寄贈してます
鳥獣戯画(国宝)
鳥獣戯画(鳥獣人物戯画)は甲乙丙丁の4巻からなる絵巻で現代日本の漫画文化のルーツといわれています。兎・蛙・猿などの動物を擬人化したもので甲巻きが最も有名です。制作年代は甲・乙巻が平安末期、丙・丁巻は鎌倉時代と推定されています
三尾(さんび)
高雄山・神護寺、槇尾山・西明寺、栂尾山・高山寺。三尾の名刹として知られています。
案内
〒:616-8295
所在地:京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
℡:075-861-4204