並河邸の歴史
並河邸(なみかわてい)は、現在正式には並河靖之七宝記念館として一般公開されている元個人邸宅兼工房です。並河靖之は、明治から大正期にかけて活躍した、日本を代表する七宝家(しっぽうか)であり帝室技芸員にも任命された人物です。 並河邸は、京都の東山三条の白川のせせらぎの横に建つ古い家で、虫籠窓(むしこまど)・駒寄せ・一文字瓦を伝える明治時代の建築を伝えます。 ここには並河の作品130点余りを所蔵しており館蔵品の七宝は世界の美術界でも貴重で、何よりも並河の生活と製作の場であった空間で並河七宝を鑑賞できることが、この館の見所です。 明治27年に建てられたこの建物は、表屋・主屋・旧工房・旧窯場が国登録有形文化財に指定されており、外観は大規模な表屋造(おもてやづくり)で京都の伝統的な商家の構えをしています。 海外から客人を迎え入れた応接間は当時のままで、この部屋の鴨居(かもい)の高さが少し高いのは、外国からのお客様への配慮の証で、ここから世界各国に並河の七宝が旅立っていったのです。
並河邸の見所
並河邸庭園
並河邸と言えば 隣同士で親しかった「植治」(うえじ)こと七代目・小川治兵衛が並河邸の横に流れる白川を引き込み作庭した庭園です。
京都では建物の縁側の中まで水を引き込んでいる庭園はこのほか智積院(ちしゃくいん)ぐらいしかない珍しいお庭です。、棗形(なつめがた)の手水鉢(ちょうずばち)で二手に分かれる流水は、躍動感に富む斬新な構成で、景石(けいせき)や燈籠(とうろう)など、石へのこだわりも見どころのひとつです。また、この庭は京都市指定名勝にも指定されています。
波打っている窓も見どころの一つです。
虫籠窓(むしこまど)・駒寄せ・一文字瓦を伝える明治時代の建築です。
案内
〒:605-0038
所在地:京都市東山区三条通北裏白川筋東入堀池町388
℡:075-752-3277
休館日:毎週月曜日・木曜日(祝日の場合は翌日に振替)