上賀茂神社の歴史
上賀茂神社(かみがもじんじゃ)は正式名、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)と言います。京都市左京区にある下鴨神社(しもがもじんじゃ)と合わせて「賀茂社」と言われています。祭神は賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)です。御神徳は厄除け、方位除けほか、旅行の安全などもあります。「山城国風土記」によると賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)の子、玉依日売(たまよりひめ)が瀬見(せみ)の小川で遊んでいました。そこに丹塗りの矢が流れてきてそれを拾い床の間に飾っていたところ懐妊しました。その子を「賀茂別雷大神(かもわけいかずちのおおかみ)」となずけました。玉依日売(たまよりひめ)の兄玉依日古(あにたまよりひこ)の子孫である賀茂県主の一族が678年、氏神神社として創建これを奉斎したところから、上賀茂神社が始まりました。794年平安遷都後は桓武天皇が行幸され、王城鎮護の神とされ歴代の天皇の行幸があり、朝廷・公家・武家の崇敬を受けていました。810年嵯峨天皇が賀茂斎院の制をもうけ、皇女の有智子内親王を斎王として400年、35代の皇女が賀茂社の神事に仕えてこられました。武家からは、特に徳川家康から篤い信仰を集めました。それは徳川の家紋、三つ葉葵が賀茂社の神紋、双葉葵に由来することからだと言われています。
宗派・主祭神など
別名: 賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)
宗派: 日本神道
主祭神: 賀茂別雷大神
ユネスコ世界遺産登録(1994) 京都17寺社
上賀茂神社の見所
立砂(たてずな)と細殿(ほそどの)<拝殿>〈重文〉
細殿前の円錐状の2つの砂の山は、御神体の神山(こうやま)をかたどったもので、立砂といいます。鬼門にまく清めの塩の起源で、神様が降臨する時はこの砂を依代(よりしろ)-神様の依りつく場所・目印-を表しています。
楼門(重文)
玉橋(重文)
玉橋は、楼門の前にある小さな橋で、渡ることは禁止されています。玉橋の下には御物忌川(おものいがわ)が流れ、御手洗川(みたらしがわ)と合流して「ならの小川」になります。
ならの小川
御物忌川(おものいかわ)と御手洗川(みたらしかわ)が合流して「ならの小川」になります。ならは楢の木からそう呼ばれ、ならの小川は南に流れ下鴨神社へと流れていきます。
百人一首の碑
「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは 禊ぎぞ夏の しるしなりける」
従二位、藤原家隆の百人一首にも詠まれている有名な歌ですが、祈願者の罪が祓い清められますようにと願った歌で、上賀茂神社の夏越祓(なごしはらえ)の情景を詠んだものと言われています。
境内(史跡)
上賀茂神社の境内は国の史跡に指定されています。
左-橋殿(はしどの)<舞殿>、右-土舎<到着殿>〈両・重文〉
神馬舎
上賀茂神社二の鳥居の前に神馬舎があります。神馬は、いつもここにいるわけではありません。
名前は「神馬号」という落ち着いた白馬です。餌をあげることもできます。
斎王桜
斎王は平安時代、神様に尽すことを誓った未婚の皇女で、神宮(伊勢神宮)と上賀茂神社のみに遣わされました。その名前からつけられた立派な桜で、一の鳥居を入ってすぐ右にある遅咲きの紅枝垂れ桜です。
風流桜
二の鳥居の手前右にあり、花傘の形をしています。
みあれ桜
葵祭に先立つ神迎えの神事、「御阿禮」(みあれ)の時に、この下を神幸することからこの名前がつけられました。
本殿(国宝)、権殿(国宝)
本殿、権殿ともに国宝、三間社流造(さんげんしゃながれづくり)で1863年に建て替えられたものです。楼門を入って正面にあり、有料にて拝観させて頂くことができます。
摂社・末社
大田神社
摂社の大田神社には、大田の池があり、天然記念物のカキツバタの群落を見ることができます。(通常・5月上旬頃)又、田子さんが発見したタゴガエルという非常に希少な珍しいカエルがいます。警戒心が強いのでなかなか見ることはできません。
その他
桐の木
上賀茂神社一の鳥居をくぐって前方左方向にとても大きな桐の木があります。
社家の町
昔より、上賀茂神社に仕える神官が住む屋敷(社家)群です。社家の町として、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
旧西村家
社家の中で公開されているのが、ここ旧西村家です。昔の面影をとどめている庭園も拝観することができます。
すぐき
上賀茂神社が発祥とされる漬物で、この辺り(賀茂)ではすぐきが沢山植えられています。
賀茂祭(葵祭)
賀茂祭は、葵祭ともいい賀茂別雷神社「上賀茂神社」と賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)「下鴨神社」の例祭で、毎年5月15日(雨天順延)に行われます。
案内
〒:603-8047
所在地:京都市北区賀茂本山339
℡:075-781-0011
まめ情報
近くのお店・・・・
なり田
京都市北区上賀茂山本町35番地(上賀茂神社入口に4台止めれる駐車場あります)
℡:075-721-1567
営業時間:10:00~18:00
定休日:1月1日(不定休)
300年以上も前から、なり田は上賀茂ですぐきをつくる歴史があります。お漬物は京都特有の気候で育つ京野菜の保存方法として編み出された知恵でした。是非、ご賞味ください。
「すぐき漬け」の中には数多くの乳酸菌が含まれています。また「すぐき」を作る「室」や樽の中に長年住み着いている乳酸菌とが混ざり合って、その家独特の味を作り出しています。その為、「すぐき漬け」の味は、上賀茂以外の土地で作られた物とはっきり違います。店内にはお漬物のほかちりめん山椒や佃煮など商品は豊富。すぐきも刻んだものやそのままのものも(こちらは重さによって価格が違います)・・・。(2011年 2月)
神馬堂(じんばどう)
京都市北区上賀茂御薗口町4(お近くの駐車場をご利用ください)
℡:075-781-1377
営業時間:8:30~17:30
定休日:火曜日・第4水曜日
上賀茂神社の門前の神馬堂は明治5年創業。神馬小屋のそばで茶店をしていたそうです。
焼き餅といわれる餅は、正式名『葵餅』といわれ上賀茂神社の葵の神紋にちなんでつけられました。1個120円です。(2012年 3月)
匂い袋 いせき
京都市北区上賀茂北大路町1(お近くの駐車場をご利用ください)
℡:075-781-8417
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
社家を利用した、オリジナルの匂い袋のお店です。お休みされている場合もありますので、連絡を入れてからのほうが安心です。
店内は色々な匂い袋で飾られています。写真の匂い袋は500円で、隙間にはさんでおくタイプのもの。柄も様々でお土産にも最適です。(2011年 3月)
地域別日本遺産
渉渓園ー曲水宴が行われる場所です。(4月上旬)
京都では他、城南宮で年二回あります。