西芳寺(苔寺)の歴史
西芳寺(苔寺)<さいほうじ・こけでら>は1300年まえ聖徳太子の別荘として聖武天皇に勅願を受けた行基菩薩によって法相宗(ほっそうしゅう)として開山されました。その後空海も入寺したとも伝えられ、法然上人により浄土宗に改宗されました。1339年松尾大社の宮司藤原親秀(ちかひで)は当時の高僧であり作庭の名手でもあった夢窓疎石(むそうそせき)を招請して荒廃していたこの寺を禅宗(臨済宗)として再興されました。もとの寺名は「西方寺」でしたが夢窓疎石はこれを「西芳寺」と改めました。
境内には本堂(西来堂)、書院、三重納経塔、黄金池を中心とした庭園、3つのお茶室などがあります。庭園はもちろん夢窓疎石の作庭で上下二段にわかれており、上段は枯山水式、下段は黄金池を中心にした池泉廻遊式庭園です。西芳寺は応仁の乱で焼失され、江戸時代には2度に渡る洪水により荒廃した歴史があり、上段の枯山水庭園が苔に覆われたのはその頃からと言われています。
この庭園を埋め尽くす苔の種類は120種を超えるといいます。今日、西芳寺は「苔寺」とも呼ばれるように黄金池を中心とした苔の庭が有名でその庭を囲むように造られている3つの茶室は、今も昔も変わらぬ風情をここで感じることができるのです。
宗派・本尊など
別名: 苔寺
宗派: 臨済宗
本尊: 阿弥陀如来
ユネスコ世界遺産登録(1994) 京都17寺社
西芳寺(苔寺)の見所
西芳寺庭園(特別名勝・史跡)
夢窓疎石により手が加えられた庭園で、池泉回遊式の庭園で中央の池、黄金池は心字形となり周りは苔におおわれています。梅雨の時期は120種以上の苔が緑に輝きとても美しい庭が拝見できます。
枯山水石組
今から600年以上前に夢窓疎石に築かれた日本最古の枯山水庭園です。
湘南亭(重文)
月見台が特徴で、千利休の次男、千少庵によって建てられた茶室です。
少庵堂
千少庵の木像が祀られています。
潭北亭(たんほくてい)
一般のお茶室とは違い立礼式のお茶室です。
本堂(西来堂)
昭和44年に再建されました。本尊、阿弥陀如来が祀られています。
三重塔
中には写経が納められています。
その他
写経
参拝の際に、本堂にて般若心経の写経が行われ心願を書き添えます。その後、祈祷された写経は三重塔に納められるそうです。
案内
〒:615-8286
所在地:京都市西京区松尾神下ヶ谷町56
℡:075-391-3631
一般参観は往復ハガキで申し込みが必要です。
3000円以上の志納金が必要です。又写経を書いてから庭園の散策ができます。