知足院

知足院の歴史

知足院(ちそくいん)は寛平2年(890年)に建立されました。現在、本堂は通常非公開ですが境内には入ることはできます。 平安末期、南都焼き討ちの平重衡(たいらのしげひら)の軍勢によって焼かれた大仏さんの再建で、造寺の長官を勤めた佐大辨の藤原行隆が大任を果たし、無理がたたって亡くなった後に、嘆き悲しんだ娘が毎日お地蔵さんに祈っていました。すると7日目の朝、お地蔵さんの手に手紙(文・ふみ)が握られていたので、びっくりした娘が文を取り上げて見るとそれは紛れもなく父、行隆の字で、兜率天(とそつてん)の観音様の元にいると書かれていたのです。 知足院本堂には、その文使い地蔵が安置されているのです。
現在の本堂は1863年に建てられたものです。

宗派・本尊など

宗派:   法相宗の研究道場でした。
本尊:   木造地蔵菩薩立像(文使い地蔵)
        年に一回7月24日に御開帳される。

知足院の見所

奈良の八重桜(天然記念物)

『いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に 匂いぬるかな』

百人一首にも収録されている、伊勢大輔に詠まれた奈良の八重桜はこの知足院で発見された八重桜が原木であったとされています。 大正12年国の天然記念物に指定されその後、奈良県、奈良市の花となっています。 原木の天然記念物に指定された木は既に枯れてしまいましたが今もその子孫が残っています。 奈良の八重桜は普通の八重桜よりさらに咲くのが遅く五月のゴールデンウィーク頃です。しかも花期は三日ほどで散ってしまうはかない花なのです。 つぼみは赤く、小ぶりの花は咲き始めは白く、そして散る前には再び赤くなります。 ですから紅と白の混在したようなとても可憐な花なのです。

知足院・奈良の八重桜
                                         






知足院・奈良の八重桜
                                         






塔頭寺院

知足院は東大寺の塔頭寺院です。



案内

〒:630-8211
所在地:奈良県奈良市雑司町(正倉院近く)
℡:0742-22-5511(東大寺



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地域別日本遺産










 

知足院に上がる階段
                                         知足院に上がる階段







 

知足院・奈良の八重桜
                                         




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